コールドプレイがエンターテイメントの持つ力を表現した50回目のスーパーボウル
アメリカで最も注目が集まるイベントのひとつに、NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」が挙げられる。 なかでも前半と後半の間に行われるハーフタイムショーは、マイケル・ジャクソンが出演した1993年の27回大会がきっかけとなり、世界中の音楽ファンから注目を集めるようになった。...
View Article先人たちのリスペクトから生まれた、チャイルディッシュ・ガンビーノのファンクミュージック
これがアメリカだ 騙されるなよ 見ろよ 今俺がどう暮らしているか 警察は今もイカれてる チャイルディッシュ・ガンビーノが2018年5月にミュージックビデオとともにリリースした「This Is America」。 銃乱射事件や人種差別など、アメリカの抱える現状を切り取った歌詞とミュージックビデオは、アメリカだけでなく世界中で賞賛や議論を呼んだ。 この楽曲はマーヴィン・ゲイの「What’s Going...
View Article映画と音楽の共鳴から生まれた、新しいヒーロー像 〜ケンドリック・ラマーと『ブラック・パンサー』〜
ヒーロー映画としては初めてアカデミー賞の作品部門にノミネートされた『ブラック・パンサー』。 2018年3月に公開されたこの映画は、史上初めて黒人のヒーローを主人公にした作品だ。 この映画の魅力は、ただの特殊能力を持った強いヒーローであるだけでなく、一人の人間として苦悩しながら成長していく主人公ティ・チャラの姿である。 物語の舞台は、アフリカに位置する架空の小国ワガンダ。...
View Article「それでも歩いてる」で高まる、欅坂46への期待
吉田拓郎、ガロといったフォークシンガーや、山口百恵、天地真理などのアイドルが活躍した1970年代は、今なお愛される多くの名曲、ヒット曲が生まれた歌謡曲の黄金時代。 そんな時代の空気を、意外にも、いま大人気のアイドル・グループ、欅坂46が運んでくる。...
View Article『シン・ゴジラ』で生まれ変わったゴジラの音
庵野秀明によって12年ぶりにリニューアルされた映画『シン・ゴジラ』は、1950年代に初めてゴジラを観た人々と同じぐらいの衝撃を僕たちにも与えた。 個人的には小学校1年生の時に初代ゴジラシリーズが終わってから12年、昔より高い熱量でゴジラを語る日が来るとは思わなかった。...
View ArticlePUNPEEが創り上げた一本の映画のようなCDアルバム 〜『MODERN TIMES』〜
「アルバムって覚えてる?」 これは生前のプリンスが、2015年のグラミー最優秀アルバム賞のプレゼンターとして放った言葉だ。 実際2015年頃を境にして、ストリーミングや配信、YouTubeなどで音楽を聴く人の比重が大きくが増えた。音楽をCDという”モノ”として聴くことや、アルバム単位で聴くという文化が廃れつつある。...
View ArticleKing Gnuの言葉とメロディから生まれる、日本人に届くミクスチャー
1990年代から2000年代にかけて、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンをはじめとした、ロックに新しい要素を掛け合わせたバンドが世界中を席巻した。彼らは60年代や70年代のロックに、ヒップホップやレゲエなど別ジャンルのエッセンスを次々と取り込み、ロックをアップデートさせていった。...
View Article紅白歌合戦に登場したSuperflyの転機となった「愛をこめて花束を」
デビュー10周年を迎えていたSuperflyは、2016年夏より喉の不調により活動を休止していた。そんな彼女が11月に行った復帰ライヴを経て、初のテレビ復帰に選んだのが大晦日の大舞台、2017年のNHK紅白歌合戦であった。 彼女がそこで歌ったのは代表曲の「愛をこめて花束を」。 LEDの大きなスクリーンに映し出された花々をバックに、伸びやかで生命力のある圧倒的な歌声を響かせた。...
View Articleテクノミュージックとラップによって生まれ変わった「デビルマン」
2018年1月5日、漫画「デビルマン」が映像ストリーミングサイト「Netflix」にて全10話のアニメ「DEVIL MAN crybaby」として復活した。 永井豪の手によって1972年に生まれたこの作品は、力強いタッチと少年向け漫画としては異例とも言える過激な描写、そして黙示録のような壮大なストーリーで多くの人々に衝撃を与えた。...
View Article街に根ざした音 〜ジャスティン・ティンバーレイクとテネシー〜
2017年の全米アメリカンフットボールの優勝決定戦スーパーボウル。 そのハーフタイムショーは、マイケル・ジャクソンやポールマッカートニー、U2をはじめとした世界の音楽シーンを代表するミュージシャンによって彩られてきた。 2018年、ミネソタ州USバンクスタジアムで開催されたスーパーボウルのハーフタイムショーを任されたのは、ジャスティン・ティンバーレイクだ。...
View Article人や芸術と繋がる、米津玄師の声
音楽シーンを代表するシンガーたちの声は、記名性が高い。 例えば「井上陽水の声」と言えば誰もが、あの粘り気の強いハイトーンボイスを思い出すことができるだろう。 魅力的なシンガーの声は、まさに唯一無二の輝きを持つ。 2010年代に登場したシンガー、米津玄師もそのような声の持ち主だ。 彼のキャリアの始まりは、コンピューターソフト「VOCALOID」を用いた「声を隠した」活動からだった。...
View Article少年少女を熱狂させ未来を創った、ビートルズ来日の立役者たちの物語 〜「ウェルカム!ビートルズ」〜
今や戦後日本の歴史の一部として語られる1966年のビートルズ来日。 ビートルズが日本に来た5日間は、日本の音楽やショービジネスのあり方を変えただけでなく、公演やテレビを通してビートルズを目の当たりにした人々の人生をも大きく変えた。 そんな公演を実現させるために奔走したのは、音楽に魅せられた「ミュージックマン」たち、そして日本の発展を強く願っていた経済人たちだった。...
View Article国やジャンルの壁を超えたSuperorganismのポップミュージック
2010年代、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスは、音楽の発信の仕方を大きく変えた。 それまで各国やジャンルごとに区別されていた音楽が、同じ土俵の上で聴かれるようになったからだ。 今や欧米の若者が日本の音楽を聴くことも、ロックやヒップホップ、レゲエが同じプレイリスト上で聴かれることも当たり前になっている。...
View ArticleTHE SEASONS ~21世紀に蘇るフォーク・ロックの伝統、ケベックの新星を今こそチェック!
甘い歌声の弟と渋く落ち着いた歌声の兄。厳しい冬の寒さを凌いで暖を取っているかのような、ほっとする空気感が素晴らしい。 まるでサイモン&ガーファンクルや中期キンクス、ホリーズなど60年代に存在していたフォーク・ロックのような、ノスタルジーを存分に味わえる。 二人のデュエットで紡がれるシンプルで美しいメロディーには、哀愁がたっぷり含まれています。 「Apples」...
View Article歌とトランペット、二つの音で魅了するブラックゴールド
Black Gold 2012年、エスペランサ・スポルディングが発表した名曲。黒人の子供として生きていくことの厳しさを諭しつつ、可能性を信じて励ます母の歌。温かみのあるメロディーと歌声には、おおいに励まされます。...
View Article70年代ソウルに魅了されし新世代ソウル・グループ、ローレンスがデビュー
ファンキーなリズムに乗った、キラキラなポップ・ソング、「ABC」。 ご存知、モータウンより1970年にリリースされた、ジャクソン5の代表曲です。 ジャクソン5といえば、可愛らしい子供たちが大人の曲を歌うグループ。 当時、定着していたそのイメージを払拭するべく、ザ・コーポレーション(モータウンがジャクソン5の為に組んだ作曲家チーム)が作曲しました。...
View Article「憧れのあいつ」の子供が音楽を届けてくれた。躍動する2世ミュージシャン達を見守ろう
ロックの黄金時代も、むかしむかしのおはなし。 1960年代、70年代に華々しく活躍していた英米のロック・ミュージシャンは皆、おじいちゃん、おばあちゃんになりました。2016年にはデヴィッド・ボウイやキース・エマーソン、グレン・フライなど、歴史を作った人物の訃報が相次いで届けられています。...
View Articleレイラ・マーシャルの『BAABEL』から聴こえてくるフランスの新しい暗黒音楽
ヴォーカルは宇宙人と交信しているかのような、摩訶不思議な発声の羅列。 それが重なり合って生まれるビート、リズム、コーラス。 重くうねるドラム、工場のマシーンのような金属音を響かせるギター。 スペーシーなキーボードによる、荒々しくダイナミックなロック・サウンド。 スケールの大きな混沌は宇宙を感じさせる。 今回、ご紹介するのはジャズ・ヴォーカリスト、レイラ・マーシャル(Leïla...
View Articleギター・ヒーローはまた生まれる
かつてロックの華として活躍していたギター・ヒーロー。派手なアクションと目の覚めるようなテクニックで、ロック・ファンを夢中にさせてくれた。 Chris spedding – guitar jamboree 「ギター・ジャンボリーで音楽史を作った男達を見てくれ!」...
View Article思い出のタヒチ80「ハートビート」
ソング・ライティングの中心的存在で、ボーカルやギターを担当するグザヴィエ・ボワイエを中心に結成されたタヒチ80は、98年に本国フランスでデビュー。翌年発売の小山田圭吾選曲による『ラマ・ランチ・コンピレーション』で日本に紹介され、2000年4月にはビクターからアルバム『パズル』をリリース、最初のシングル「ハートビート」がヒットして注目を集めた。...
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